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とびだせどうぶつの森の話62(2013/2/25) 



~前回までのあらすじ~

「Le repas d'un cochon」はハムカツパーク内で人気の
本格的なフランス料理を食べることができる店である。
ハムカツ財閥の潤沢な資金力を存分に発揮し、
成金趣味丸出しの欧米風な内装に
世界の有名三ツ星レストランで修行経験のあるシェフを何人も金で誘致しただけではなく、
吟味を重ねさせた日本人の舌に合ったその味。
そして同じく成金趣味の豚共用のメニューは勿論の事、
遊園地にデートに来ましたが今日なんやかんやでキメたいので
豪華でいい雰囲気の食事できる場所お願いしやっす
という若いカップルのためのリーズナブルなコース料理も兼ね備えた
遊園地内にある飲食店の中では完全無欠の完成度を誇ると
この遊園地を経営する巨大企業の次期社長のハムカツは胸を張って言えるレストランだった。
自らが指揮を執り専門家と幾度も繰り返されたディスカッションの末生まれた
わが子のようなそんなレストランだった。

その彼がレストランに自らの体を突撃させて破壊した。
殴り飛ばされた勢いそのままに豪快に破壊させられた。
衝撃で跳ね返ったりなんやらで
いい感じに建物の重要な柱などをの部位を多めに破壊した結果
インターネット上でいくらなんでも成金趣味過ぎと小馬鹿にされる事の多いそのレストランは
崩壊に崩壊の限りを尽くした。
厨房から燃え広がった炎は店内を燃やす。

ハムカツは痛む体を物ともせず叫んだ、そこに居たはずの愛しい人の名を。
よく見ると自分のすぐ横に立っていた。
粉塵に塗れては居たが、大きな外傷等はなさそうだった。
しかし安心はできない。
頭などを打っていた場合、目立つ外傷はなくても後に脳内出血などで死に至る場合もありうる。
ハムカツは怪我を心配した言葉を発したが、それを遮ってメリヤスは言う。

「スイーツはぁ?」

そうだ、そういえばオススメのスイーツを買ってくるように命令されていた。
爆熱のワタナベ来襲でそれ所ではなかったのだが
そんな事は彼女には関係ない。
デート中に他の女に会っていたなどと、彼女が勘違いしてしまっては困る。
俺はお前が俺に対してそうであるように、一途にお前を愛し生きているのだ。
ハムカツは言い訳をしない。
男らしくまだお使いはできていないと宣言するのだ。
まるで独裁政権の終わりを民衆達に告げる革命家の様に誇り高く伝えるのだ。

「え・・まだ・・・買ってないです」

多少上ずってしまったような気もするが誤差の範囲内だと言い聞かせる。
するとどうだろう。
彼女は全身がボロボロで身動きが碌にとれない彼の首に
自分が巻いていたそのマフラーを優しく巻き始めた。

「俺が出血して、体温が下がっているから温めてくれるのか?」

豚男は確信した、この雌羊はやっぱり俺にゾッコンだ。
完全に惚れている。
突如絞まるマフラー。
締めすぎて声が出ないため「ウギュギュゲ」みたいな呻き声と舌が出る。
そうか止血か。
止血してくれているんだな。
真っ白になっていく思考の中、ハムカツはやはり確信した。
相当惚れてんなぁーコイツは。
顔は鬱血して朝顔のような色になっている。

「お前のせいで私のマフラーが汚れた。新しいやつとスイーツ買ってこいよぉ」

メリヤスは愛情表現が激しいんだなぁ、かわいい子だな。
言葉はハムカツの脳内で語られただけで、実際には発せられていない。
「ヒュッ」というスキマから微かに漏れる空気音が断続的に彼の口から出されているだけだ。
そんな状態でも安らかに笑う豚に巻かれたかつての自分のマフラーを掴んで、メリヤスは歩く。
引きずって行った先は燃え盛る厨房だった。
ためらいもなくその中に投げ捨てる。
その結果を見る事無く、比較的無事な業務用冷蔵庫を開け放つ。
中にあった生ハムの塊にそのまま齧り付く。
喉渇くな、ペリエとかないか?
次の獲物を捜す彼女の後ろの厨房で炎が収束していた。

ジュリーは爆熱のワタナベの打撃をなんなく躱しながら考えていた。
殴り飛ばされた豚が戻って来ない。
そうなると次に戦うのは自分だ。
どう戦えばいいか?
また殺すしかないのか?
どうすれば先代達のようになれる?

自問自答の答えは出ないまま、その手に自身の武器を具現しようとした時、
視界の端に見慣れた豚が現れた。
メリヤスに優雅な時間を過ごして欲しいと店内を貸切、
従業員も最小限にした結果、建物内に居たと思われる数人の従業員を肩に抱いて。
ある程度離れた場所に彼らを下ろすと、こちらに向かって走ってきた。

驚くべきはその容姿だった。
先程は着用していなかった端にかわいらしいポンポンが付いた女物のマフラー巻いてる。
殴り飛ばされて帰ってきた知り合いが変態になっていた。
よく見ると顔が鬱血している。
何をどうやったらそうなるんだ。
疑問はさておき、ジュリーは爆熱のワタナベの火炎放射機を蹴り飛ばす。


「ジュリー、神器を具現する」

戻ってきた豚はいつもの言葉を吐き出す。

「またかい?暴走を抑えるのは大変なんだよ」

ウンザリしながら馬は返す。
この豚は炎を使って戦うのだが、いかんせんその扱いが下手だ。
特に自分の内から出る炎の扱いが苦手で、それを元に武器を具現しようとすると8:2で失敗して暴走する。
制御を失った彼の炎は放っておくと、死ぬまで放出され続け辺りを焦土へと変貌させる。
そうならないために、大体は彼の戦いにジュリーが付き添い暴走を抑える。
その方法を具体的に言うと炎が止まるまで殴る。
最近はそれに懲りたのか、武器を作る回数を減らし慎重になっていたのかと思っていたら、
その辺にあるガス管やらなんやらといった燃えるものを無理やりぶっ壊しては
発生した炎を元に武器を作って戦い始めた。
とにかく何をやっても迷惑な豚だった。

そんな彼が久しぶりに武器を具現すると言い出した。

「今日は大丈夫だ。メリヤスからもらったこのマフラーの匂いを嗅げばあーいい匂い!」

「キモッ」

そんな彼が今日は気持ち悪いことを言い出した。

「あー、最高の匂い!あー!」
「え?何これ?ドッキリ?」
「あーいい!」
「それ・・本当に貰ったの?顔が鬱血するくらいきつく巻かれているけど」
「お前は女心わかんねーからな」
「絞め殺されそうになったんじゃなくて?」
「クンクン」
「馬鹿だけならまだしも、気持ち悪くなるとは」

辟易するジュリーの目が驚愕と共に見開かれる。
ハムカツの手に紅き日本刀が具現された。
指で数えられるほどしか見たことないが、確かに彼自身の炎を使って具現した日本刀だ。
紅い燃え続ける灼熱を帯びた刀身。
しかも以前見たときより力強さを感じる。

「できた!落ち着く、いい匂い」
「参ったな・・・」

刀の美しさとは裏腹にマフラーの匂いを嗅いで恍惚の表情の豚はとても醜かった。
轟音が響き振り返ると蹴り飛ばされた爆熱のワタナベが撥ね跳んで戻ってきていた。

「待たせたな!この刃は、今までのやつとは違うぜ。
おれ自身の焔を元に具現したものだ」
「かちクゥがぁあ!!」
「これで仕舞いだ。ハムカツ流」
「キえエぇええエ!!」

ハムカツは具現していた、鞘にその刀を納刀する。
みつあみの少女が異形の右腕を大きく振りかぶって突撃する。

「弐の焔」

二人が交錯し、音も無く離れる。
続く静寂。
数秒の後、爆熱ワタナベの火炎放射器、街路樹、お土産物屋にアトラクション、
多くの物体が真横にずり落ちるようにその形を歪める。
ハムカツの納刀音が響き、全てが彼の放った剣閃に沿って両断された。

「居合い術、絶炎」

爆熱のワタナベの体から血液の代わりと言わんばかりに炎が噴出する。
それはやがて彼女の全身を覆いつくした。

「キエ・・ェエ」

燃え尽きて行く彼女を見つめる豚の背に声が届く。

「何・・これ・・燃えているの?人が?」




蛙「爆熱のワタナベ、あなたまたハムカツ様に挑んだの?」

燃え盛る女にチョキは語りかける。

爆「チョキ様・・・私はあなたに隠し事をしていました。あの豚への殺意です」
蛙「知ってるわ」



蛙「この前も、今日も私を思っての行動でしょ?」
爆「キエ・・・」
蛙「女は、秘密があるほうが魅力的なのよ」
爆「きええ・・・」
蛙「もう・・。知ってる?あなた口臭が酷いのよ」
爆「キエ!?」


蛙「ほら、私もあなたへの隠し事してた。
伝えたかったのに黙っていた。おあいこよ」
爆「チョキさま・・」
蛙「これからは私に直接言いなさい」
爆「・・チョキ様は男の趣味が悪いです!」


爆「あと皮膚がヌメヌメしているし、なんか体も臭」
蛙「言いすぎよ!」

怪物を覆っていた炎が消え、そこには晴れやかな少女が居た。

蛙「強かったでしょ、私が好きになったひと」
爆「キエエ」


豚「お前の差し金か、ジュリー?」
馬「その辺をウロウロしていたから避難させただけさ。
それより君こそ、彼女を殺すんじゃなかったのかい?」
豚「今日は焔の調子が良くなかった」


馬「そうかい。まぁ、これで一件落着かな?」
豚「ああそ・・」

突如ハムカツの腹を何者かの腕が貫く。

馬「豚くん!?」

崩れ落ちるハムカツの後ろに、手を赤く染めた羊が居た。


羊「スイーツはぁ?」
豚「あ・・・今すぐ買って・・来ます」

臓器を引きずって歩く豚を見て、馬は呟いた。

「やれやれ、爆熱のワタナベさんは見る目があった。
確かに彼は家畜だったよ、恋のね」



「LOVE PHANTOM」

第1話
『豚と羊と馬と蛙と爆熱のワタナベ』

~おしまい~


To be continued
[ 2013/02/25 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)
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